マネー・ボール                     

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大金と歴史の野球に立ち向かう論理と革新の野球 

映画・マネーボールより

おすすめできる人

  • 「所詮、世の中お金なんだよなあ」と思っている人
  • 少し違った角度から野球を楽しみたい人。
  • 革新を起こした人の話が好きな人

最初に

お金でも買えないことはもちろんあるでしょう。
一方、あればできることが多いのも事実です。
自分が欲しいもの、人が欲しいもの、そして何より、ビジネスにおいても仕入段階などでお金をかけられるかどうかという問題は大きく成功に関わりますね。

野球でも同じです。大金を動かしていい選手をそろえれば必然的に勝利しやすくなります。そして、選手にかけた以上の報酬、そして、選手を勝利に導いたという名声を得ることができるでしょう。

しかも物には著作権というものがあり、技術や商品は自分で育ててお金で買えない価値になることもあります。しかし、人ならば商品という表現をすることはあっても人権があり、苦労して育てた選手も資金力で敵のチームにとられてしまうことも戦略上ありうることです。お金のないチームはお金のあるチームに勝てない。お金のあるチームこそが強いチームになります。

マネー・ゲームはそんな野球の大金論理に対し、新たな力で真っ向から立ち向かっていった二人の男の話です。

あらすじ

買うのは”選手”ではなく、”点”

物語は強豪ヤンキースに敗れ、自軍の強い選手を強豪に引き抜かれてしまったアスレチックスのGM※1、ビリー・ビーン(演・ブラッドピット)の葛藤から始まります。

来年勝てる要素が見当たらない、仮に強い選手を連れてきたとしても、大金を使われてしまってはすぐよそへ引き抜かれてしまう。さらに、スカウトたちも現状を変えず、負けてきたのに今までのやり方をひたすらに通そうとする。やり方そのものを変えないとダメだ。しかし、どう変えればいい。

やりきれない思いを抱えている彼はトレード交渉のために訪れた場所で、ピーター・ブランド(演・ジョナ・ヒル)に出会います。彼の考え、視点は今までとは何かが違うと判断したビーンは、彼を引き抜き、自身の補佐に抜擢。古くからの考えを捨て、少ない資金のもと、並み居る強豪を打倒して大会で優勝するという目標を掲げます。

ここから彼らの苦難、そして革新の野球が始まるのです。

革新に伴う痛み、犠牲なくして成長なし

ピーターを雇ってチームの改革に努めるビーンですが、世間から評価されない選手を統計的にそして客観的に判断します。

今まで経験と歴史で勝負してきたスカウトたちへの裏切りにも等しい行為でもあり、もちろん、そんなスカウトたちの考えは一般常識でもあり、世間の声も冷ややか。なかなか結果が出ない彼らを笑う人間は後を絶ちません。

いらだつビーン、不安げなピーターの場面が続きます。

失敗しても成功しても人は笑う

続く敗北にも彼らは初志を曲げず、それどころか、ビーンは論理を証明するため、論理的には正しくてもピーターでも驚くような自己の退路を断つような真似をしてまで、人を動かします。

これが功をなし、結果は大成功。

詳しい成果は省きますが、途端に人々は手の平を返して彼らを称賛し始めます。チームにも彼ら自身にも明るい表情が増えていきます。

しかし、浮かない顔。それもそのはず、最初に掲げていた目標、弱小チームが並み居る強豪を打倒し、優勝を果たす。その目的をまだ果たしたわけではありません。

そして始まる勝負の舞台、結果は……。

エピローグの選択

結末がどうなったか。それは映画で見ていただきたいのですが、最後にビーンは一つの選択を選ぶことになります。

間違いなくビーンの功績でもあり、認められた証でもありました。一方で多少は形は違えどこれまで抗い続けてきた存在と自分もまた同じに。決して長いシーンではありませんが、お金と野球の問題について彼なりの一つの答えを出します。

大切なこと ①

強い選手(値段)で勝つのではなく、点(価値)をとって勝つ

実際にあった野球改革がもとになったマネー・ボール、実は非常に強いマネーリテラシーを学べる映画でもあります。物の重要性というのは、値段ではなく、価値であること。わかっているようでも多くの人は表面や歴史だけ見て判断してしまいがちです。

結果、高いものを安く買ってしまったり、安くてよいものを見逃してしまうのです。世の中の評価によって得られた指標としての”価格”ではなく自分たちの目的のためにいかに役立つかの”価値”としての考えが勝利に結びついたのです。

大切なこと②

そして二つ目ですが。革新的な考えは自分で考えなくてもいい。ということがあげられます。現状がどうにもならないビーンはたまたまピーターと出会うわけですが、彼が欲しいものに対する答えをピーターは持っていたというわけです。

人は天才的な頭脳や唯一無二の才能がなければ成功できないと思ってしまいがちですが、孤立的な考えを理解し、その手助け、もっといえばその人を選んでさえ上げれば二つの力が重なり、世界を動かす力に成り得るということをマネー・ゲームは語っていました。

もちろん賭けにはなるでしょうし、失敗することもおおいにあるでしょう。しかし、現状衰退していく一方でもし打破する方法を自分で思いつかないなら、答えを知っていても行動できない人を探してみてください。ピーターの論理、ビーンの行動力が結びつき、野球の世界に大きな力を与えたのと、同じことが起こるかもしれません。

※1 GM 欧米における野球のチームの責任者。限られた予算からチーム編成からトレード、ドラフトまでなんでもします。一方、この映画では試合内の動きは監督にゆだねられていた部分も多いのでどこまで権利があるかはチームによるみたいです。

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