動けない、動いてはいけない。過酷な環境にさらなる枷をつけられた超絶サバイバル! ALONE アローン

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映画 その他

オススメできる人

  • 忍耐や強さを見たい方
  • 極限のネガティブ状態よりさらに一つ先を見たい方
  • 強さを見たい方

映画予告

ALONE/アローン – 映画日本版予告編

「無人島に一人残されたらどうする?」とか、「明日世界が滅んだらどうする?」みたいな空想ネガティブ話はよくありますよね。

ただの遊びや興味本位というものもありますが、それぞれの優先順位を決めるという側面もあります。いわゆる心理テストの一つでしょうか。

色々な選択肢が出てしまうと人は迷うものですが、たった2つの選択肢だけでも迷うことがあります。

何%の確率かで死に、何%の確率かで生きる。

こうなってしまうとたとえ死ぬ確率が1%だったとしても、軽々選べる人はいないでしょう。

しかし、それでも選ばなければいけなくなったとき、あなたはどうしますか?

今回は、物理的側面も心理的側面に追い詰められた人間のお話です。

あらすじ

マイクはテロリストを狙撃するために、相棒とともに砂漠の一箇所にいた。しかし、様々な考えが浮かんでしまい、最終的に狙撃は失敗、テロリストたちに追われて逃げることになりました。無線によって「近くにある村まで行け」と指示され、向かうものの、マイクは嫌な予感がしていました。

そんな彼の危機感を笑うかのように、相棒は砂だらけの広大の土地を無警戒に、更に言うなら無邪気にあるき回り、マイクに話してかけました。

響き渡る轟音。目の前にいた相棒が倒れました。

そして、全く違う音でありながら、同じ物体が出す音がマイクの靴の下からカチリと音がしました。

彼は悟りました。ここから一歩でも動けば、目の前の惨劇と同じ状態になる。

無線で助けを呼ぶものの、到着にかかる時間は52時間、常識的に考えても生存はほぼ不可能な宣言は、マイクを絶望に落とし込みます。

灼熱の太陽と砂、強く吹く熱風、そして孤独を思い知らされる広大な土地に一人残されるマイクの運命は……。

過酷な環境と束縛

砂漠、孤立、そして、同じ体勢でいなければならないという行動の制限の極みと考えられる限りの最悪な環境においてかれてしまいます。想像すらおぼつかないほどの苦痛でしょう。

娯楽品でごまかすこともできず、それどころか、動いて気をそらすこともできず、ただ、耐える以外に何もできない状態です。そして、砂漠という環境は、様々な災害を運んできており、道具も満足にないまま、戦わなければなりません。

私で言うなら多分1時間も持たないでしょうし、私よりちょっと頑丈な方々ぐらいでは、1日もつかもたないか、といったところでしょうか。

それでも彼はすぐ諦めることもできた状況でひたすら耐え続けます。

強さの芯はどこにあるのか。

彼が耐え続ける理由は決してポジティブなものだけではなさそうです。

極限の空想

何もできることがなく、周りに知っている人がいないと、人はぼーっと考え始めます。(より高度な技術を持つ人は瞑想に近いですが)

極限状態でも変わらず……いえ、だからこそ、現実逃避に空想を始めるのかもしれません。

過去のこと、未来のこと、上司のこと、そして先程いなくなってしまった相棒のこと……現実と空想が侵食し、様々な考えがマイクのもとに浮かんでいきます。

どこが現実なのか、どこが空想なのか、マイクだけではなく、見ている私達ですらわからなくなっていきます。

目の前にたまに現れる変な人間やその娘、過酷な環境に生きる狼、誘惑に耐えきれず足を動かした自分自身……現実と空想が何が救いとなり、何が迫害になるのかさえ曖昧になります。

空想は人の防衛本能という部分があり、痛覚を弱めたり、ストレスを軽減させたりする効果もありますが、必ずしもいいものとは限らず、未来の可能性を阻めたり、現実の対策がうまく考えられなくなったりしてしまうのです。

一概にいい悪いは言えないものなのでしょう。

一歩

一歩という言葉には色んな意味があります。

ポジティブな意味で取られることも多いですが、悪への一歩ということで使われることもあります。しかし、いずれにせよ、たかが一歩といえど、大きな意味を秘めさえします。

彼の場合は1歩動かせば自由になれる可能性がある、しかし、あまりにもリスクが大きく、ましてや目の前の相棒が地雷によって吹き飛んだ後という恐怖もつきまといます。

一方で、これは勇気という側面だけではありません。

一歩を動かせば、自由になれるというのは誘惑でもあり、悪い側面ととらえることもできます。「ここをあと少し耐えればしのげる」とか「ここまでやってきて今更ひけない」といった状況から1歩を踏み出し、さらなる奈落へおちてしまうという場面も少なからずあるのです。

映画では文字通りの1歩ですが、生きるか、死ぬかをかけた1歩の決断の重さは、良いも悪いも飲み込み、苦痛も甘美も含まれた動きは、もしかしたら普通の人の人生の決断を全て凝縮させたものと言えるかもしれません。

総評

ALONEというタイトルに偽りのない孤独感、そして一歩の重さを感じさせてもらえる作品でした。

勇気と誘惑という言葉はポジティブネガティブで別れていることが多いですが、意外とその境界は曖昧なものなのかもしれません。(文字もちょっと似てますね)

恋愛にしても仕事にしても、そして日常生活のあらゆる場面で、一歩を踏み出すことの大切さは謳われることが多いですが、結果によってそれは成長のための一歩だったとも悪魔の誘惑だったと分類されます。

人生はギャンブルという言葉もありますが、それは、同じ1歩でも良い悪いが曖昧だから、という部分も大いにありそうです。

1歩を選ぶために人は色々な対抗策や、考えを持つことはできますが、絶対なんてこの世にはありません。

好きに生きることを悪魔の誘惑と捉えるのも、真面目に働き続けることを、勇敢なる1歩ととられるも結局は大多数の主観に過ぎないのです。

動くも、動かぬも人の強さ、強さは弱さであり、弱さは強さである。

ほとんど動きがないのにも関わらず、強さについて色々考えることができた映画でした。

要点へのヒント

大体は空想は空想とわかると思われますが、一つだけすごくわかりづらいことがあります。そしてそのことこそがブログであげたかったテーマの一つです。探してみてください。

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