わからないことだらけの世の中。映画のように期待しているようで期待していないようで。「先生、人生相談です」ヒッチコック ヨルシカ

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ヨルシカ – ヒッチコック (MUSIC VIDEO)

世の中わからないことだらけです。

別にわからなくていいことならわからないでもいいのですが、だいたい大事なことがわからないことが多いです。

政治、宗教、人間心理、物理、お金、労働、教育、etcetc……。

とはいえこれらは調べればある程度はわかることも多いです。

最も調べても知りたい答えとは限りませんし、気をつけていないと日々の忙しさにすぐ忘れてしまいます。

今回の曲は、歌詞の殆どが質問だらけの曲です。そして、おそらく自信を持って答えられる人は相当ポジティブか相当かしこいか……あるいは単純に事務的な人なのかもしれません。良くも悪くも。

やや解釈が難しい曲……というより様々な解釈ができる曲なので、今から語ることはあくまで私の考えということを今一度ご了承願いたいと思います。

そもそもヒッチコックって何?

調べたところ、イギリス、アメリカを中心とした映画監督の名前らしいです。

サスペンス映画が非常に有名で、その道で「神様」と称されるほどの人物だそうです。

なぜ、そんな人物がタイトルなのか。

なぜ、タイトルなのに歌詞で出てくるのは一度だけなのか。

正直な話、ヒッチコックという言葉をあまり知らなくても問題ありません(私も何度も聞いている曲ですが、意味を知ったのは最近です)

ヒッチコックという映画監督がいてサスペンスを中心とした映画をとっていた、ということだけわかれば十分です。

曲のテーマの主題は次の見出しです。

質問の嵐

最初は日常で気にしもしない質問をぽそりとつぶやくように、そして、サビに入ると一気に畳み掛けるように人生の悩みを「先生」に相談……というよりもはや問いかけます。

そして、たいていの大人が言うような質問を先回りして問いかけます。

「どうせこういう事言うんだろうけど、これは答えになってない」と言わんばかりに。

誰もが一度は、あるいは一生悩み続けるような問いを歌詞に乗せて問いかけます。

そして、2番からは、最初から、世の中の理不尽に対する質問を投げかけ、目の前にいる「先生」に聞き続けます。

正直、大人が子供に聞かれると困る質問ばかりですね。

そして、適当に当たり障りのない答えを出してはぐらかせているようで全然ごまかせていない、ということでもあります。

もっと言うのならば、大人という立場だったとしても、もし誰かに教えてもらえるのならば教えてほしい、でも多分教えてもらったら教えてもらったで納得ができない答えになることもわかってしまう。でも自分で見つけたくても見つけられない。

そんなジレンマが伝わる数々の問が曲の中に練り込まれています。

しかし、ここで一つ、疑問があります。

大切なのは、問いの答えなのでしょうか?

望み

メロデインの最後に、望みを聞き、それは願ってもいい望みなのか、と問います。

曲の途中で

ヒッチコックみたいなサスペンスをどこか期待していた

ヒッチコック ヨルシカ

というものがあります。先程上で述べた、唯一、「ヒッチコック」という言葉が出てくる場面ですね。

私は2つ解釈しました。

1つは「悩みだらけのこの日常をすべて吹き飛ばすようなサスペンスを巻き込まれつつも客観的に見てみたい」

もう1つは「自分の悩みごと自分の全てを終わらせてくれるようなサスペンスに主体的に飲み込まれたい」

いずれにしても、とにかく問い続けなければいけない日常から離れて、ただ、自分が好きなことをしていたい、あるいは、何も考えずにいられるようになりたいという思いが伝わってきます。

ドラマチックに人が死ぬストーリーって売れるじゃないですか
花の散り際にすら値が付くのも嫌になりました。

ヒッチコック ヨルシカ

一方で、そういったものを拒むような歌詞もあります。

少女の本当の望みは何でしょうか?

総評

この曲はネガティブを伝えるというよりは、ネガティブを思い出させるといった印象が強いです。

忙しい日々の中、どこか満たされず、どこか苦しくて、でも忙しくて何が望んでいて、何がやりたくないことかすらわからない。

昔、自分はどうなりたかったのか。

今、自分はどうなりたいのか。

誰かに聞いてもわからない。でも、誰かに聞いちゃほんとうにいけないのか。一人で見つけないといけないのか。

ネガティブを思い出させるというと悪い方に考えてしまうかもしれませんが、ネガティブというものはなくなりません。鎮痛剤のように痛みを消し去っていても、傷そのものが消えるわけではないのです。

たまには思い出して、自覚することで、自分の痛みや人の痛みがわかり、治療法や回避方法などがわかるのです。

ただ、最後の歌詞を聞くと少女が求めているものは問に答えてくれる人ではなく、

問いを受け入れてくれる人なのかもしれません。

この曲の問いはあまりに重いもので、答えは簡単には見つからず、聞くことすら遠ざけたいほどです。

ですが、そういったものを受け入れることこそが、誰かを受け入れるということなのだと思いました。

カウンセラーなども問いに答えることではなく、とにかく話を聞き続けることが仕事と聞きます。

重く、辛い「問い」だからこそ、「問い」そのものに意味があるのかもしれません。

そう考えると、「先生」という言葉にも色んな意味が解釈できそうですね。

そして、最後の言葉にも。

聞いてみれば、あなたが忘れていた何かを思い出すかもしれません。

思い出すのが辛くても、思い出さなくてはならなかった何かが。

要点へのヒント

少女の問いに自分なりの答えを見つけてみてください。

少女の先回りした答え以外で

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