「無意識のネガティブ」をぶっとばします!!ネガティブとポジティブの問題をチンパンジーと答え合わせ!FACT FULLNESS 著 ハンス・ロスリング(略) 訳 上杉周作 関美和

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お勧めできる人

  • 人生に不安を覚えやすい人
  • ネガティブがいろんな方向に拡散してしまう人
  • チンパンジーにクイズで負けたくない人

当ブログでは、ネガティブをその人に合わせていい方向に動かし、ネガティブを消すことでポジティブを力にするのか、それともネガティブをそのまま強くするのか、両者のどちらを選ぶかの判断および、両者の能力を伸ばすことを助けることを目標としております。

しかし、単純にポジティブになればいい、ネガティブになればいいかと言われるとそれもまた考えどころです。特に根拠もない感情は最初のきっかけなどで力にするのはよいのですが、そのまま持ち続けようとしても他者に簡単に流されてしまいがちです。

うっかりしているとチンパンジーより頭が弱くなってしまい、流されるままにポジティブになったりネガティブになったりすると、結局他人に人生を左右されてしまい、力が分散したり、躁鬱のようになって疲れてしまい、結局人生を疲れですり減らしてしまいます。

じゃあ、どうすればよいか。

ポジティブになるのもネガティブになるのも正しい根拠のもとに信じて、力を集中させられるようになることです。

今回の本は人が持っている悲劇本能、ドラマチック感を抑え、いろいろなものが押し付けてくるネガティブ感を抑えるための本ですが、正しくネガティブの力を発揮するのにも十分に役立つでしょう。

それがこちらです。

著 ハンス・ロスリング(略) 訳 上杉周作 関美和

どうせ、落ち込むなら正しく落ち込みましょう。

※注 2年ほど前の本なので情報が今とは異なる可能性があります。主旨は変わらないので紹介させていただきますが、データなどが現在と異なる可能性があることはご注意ください。

チンパンジーVS人間のクイズ対決

最初に作者の話をして、突然クイズが始まります。

経済や環境についての難しめのお話ですが、直観で解いて構いません。むしろ直感で解くことが大切なのです。

なぜなら多くの人が、それこそかなり考えて解いても人の正答率が3分の一より低い回答です。(ちなみに私は2,3問しかわかりませんでした)

ちなみにこれはチンパンジーに適当に選ばせるより低い確率です。(ここがチンパンジーに多くの人が勝てないといわれている理由ですが)要は、お前はチンパンジー以下だと罵倒されるということですね。

しかし、大丈夫です。これはあなたのせいではありません。人間がもつ性質、もっと言ってしまうと長い歴史の中で身についた(というより身についてしまった)本能、そして本能を利用する人たちが原因です。

この本を読んでいけば、不用意に与えられるネガティブ感から解放されていき、ポジティブであれ、ネガティブであれ、もう1度見つめなおせるでしょう。

考え方が変わるだけで最初のクイズの正答率も大幅に上がります。

ファクトフルネス

冷静にデータを見て、さらにデータの見方を理解することで不用意に与えられる絶望感やネガティブ差が逃れ、健全な心を取り戻すことができるでしょう。

それをこの本ではファクトフルネスと紹介し、厄介な本能を解消するため、データや作者の豊富な経験などに基づいて対抗策として紹介しています。

それぞれ、分断本能、ネガティブ本能、直線本能、恐怖本能、過大視本能、パターン化本能、宿命本能、単純化本能、犯人捜し本能、焦り本能と充実のラインナップです。作者の観察眼やあるいは失敗談から陥りがちな状況と対抗策が書かれています。

特に大事なのが、ネガティブ本能ですね。これがおそらく、冒頭のVSチンパンジークイズの解答率を下げている主な原因に違いありません。

とはいえ、あくまでこの本は本能がもたらす障害や必要以上に他者の言動に踊らされるなと言っているのであってネガティブな考えを持つなと言っているわけではないことをもう一度、知ってください。

さらに言えば、ネガティブとポジティブは紙一重として、この本はこのような言葉を残しています。

悪いということは良くなっていっているということ。

ネガティブをポジティブにする言葉としては極めて強力な言葉と言えるでしょう。

流されないこと。

ネガティブになるなともとにかく楽観的になれともこの本では言ってません。本能を刺激されて流されてはいけない、と言っています。

今の考えが理屈なのか、それとも本能にながされて出てきた考えなのか、とにかく見抜くことが大切です。

そのためには経験や学びが必要なのでしょうか?

いいえ、時にはそのような人の能力を伸ばすものがまさに本能を刺激してしまうことがあるみたいです。

大切なのは流されないことではなく、自分自身で流れるようにすること。つまりすべてにおいて変化を受け入れることです。

悪夢に停滞せず、現在の知識に頑なにならず、あらかじめ学ぶのではなく、受け入れらないものを受け入れる力を身に着けること。

この本では本能についてすべて語ったあと、そのための手助けになるであろう、方法が書かれています。

まずは身を守ることから始めましょう。そうすれば、ネガティブになるのもポジティブになるのもずっと楽になるはずです。

総評

世の中が悪くなっている部分も確かにありますが、悪い部分を受け止めて必死に良くしようとしている人たちのことがよくわかる本でした。

偽りのネガティブに流されて、絶望したり、あるいは力を奮い立たせて問題を解決しようとしても「実は問題は全くありませんでした」もしくは、「気にするほどではありませんでした」などではあまりにも悲しすぎます。

一方で、今自分が抱えている問題についてすごいネガティブ感を抱えている人は自分だけではない、ということを認識できる本でもあります。個人の問題、というよりはあくまで社会問題についてですが、周りに、さらに言えば日本で賛同が得られなかったとしても世界のどこかで自分が気になっているネガティブ問題について戦っている人がいる、と考えるだけでも勇気になりますね。

ただ……まあ……。

この本は世界中の全ての人へ向けて書かれた本なので、日本についてどう書かれているかといったことは正直ほとんど書いてありません(流石に世界的なデータ等には日本の名前がありますが)

日本の悪いは本当に良くなっているのか、それとも、この本とは全く逆で、良いが悪くなっているのではないか、残念ながらこの本では教えてくれません。

一応私なりに、答えはあるのですが、それもどこまで真実なのかはあてになりませんし、おそらく慰めにはならないでしょう。

ネガティブであれば、”悪い”に気づき、ポジティブであれば”良くなっている”に気づける。その二つが重なったとききっと多くの人が目標を同じく進めるかもしれません。

そのためにも、多くの人に読んでほしい本です。


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