『ずるい考え方』著:佐久間  宣行さん「ずるい」の宝探しをしましょう!!知れば知るほどずるい……でも周りの人を幸せにするずるさです。

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ネガティブ・トレジャー!

おすすめな人

  • 毎日無駄な作業をやっている気持ちが消えない人
  • 自分や周りがうまく動かせていないと思う人
  • 日々の仕事が大変という方

この本を読めば……。

  • 仕事や人間関係を円滑に回す技術を身につけられます!
  • 無駄なものや非効率なものに新しい価値を生み出せます!
  • 「ずるい」という意味を深く考えることができます。

おすすめできない人(後述します)

  • 組織勤めではない人
  • 仕事がやや事務仕事が多めな人
  • ずるに楽さを期待している人

今回のネガティブ・トレジャー

ドラマチックな「ずるい」の宝探しをしてみましょう!

最初に

皆さんは「ずるい」という言葉にどんな印象を持っていらっしゃるでしょうか?

「楽をする」「人任せにする」「真面目にやらない」などのネガティブな考えを持っている方は多いでしょう。

しかし、一方で、「ずるさ」に魅力を感じることも少なからずあるのではないでしょうか?「こんな風にできたならな」とか「こんなことしたくないな」と考えているとき、ついつい「ずる」と呼ばれる行為をしないまでも頭によぎるくらいのことはあるのではないでしょうか?

「そうは言ってもずるいことしたら後でバレたときに、もっと面倒になったり、人から軽蔑されるでしょう?」

と思われた方、ごもっともです。

では、逆にこんな「ずるい」はどうでしょう?

「人から感謝され、自分も満足感を得て、後腐れもなく、好かれたい人から好かれるようになる」

そんな「ずるい」だったらちょっと興味を持ちませんか?

自分の起こした成果で、満面の笑みを浮かべて満足そうにしている人からこう言われるわけです。

「君ってずるいやつだね」

こんな形のずるさを目指したい方におすすめなのがこちらになります。

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ずるさは楽をするためのものとは限りません。周りを幸せにする手段にもなるのです。もちろんあなたも含めて

どんな本?

テレビ局のプロデューサーが組織の従来のやり方に反発を覚え、ダメ元で自分でやりたいように仕事ができるように様々な作戦を編み出し、驚くほどの結果を生み出した本です。言ってみれば組織に携わるものの処世術といったところでしょうか?

ずるで想像するような「明確にルールを破る」「誰かを貶める」という側面はほとんどなく、「なんとなくやるorやらない」「暗黙のルールでやるorやらない」といったグレーゾーンを論理的かつ、メリットデメリットを明確にして自分の糧にしてやるかやらないかを判断していくための本ともいえます。

法律や、規則などのルールには確かに違反していませんが、「ええ!?そんなのありなの!?」と言いたくなような、そんなズルさが詰まった一冊と言えるでしょう。

ただし、繰り返しますが、「楽をするための本」ではないことは何度も述べさせていただきます。大変なこともありますし、気の進まないこともあるでしょう。

イメージとしては、

  • 「とてつもなくめちゃくちゃ頑張り尽くして出た成果」に「さらなるプラスの成果をもたらす」
  • 「形式やなんとなくでやっていること」に「強い効果をもたせる」
  • 「人を動かす」のではなく「人を動きたくなる」ようにする。

といったところでしょうか。

大変そう……と思われるかもしれませんが、安心してください。これはあなたのための”ズル”です。

おすすめポイント

ずるくあるためには、念入りの準備を

この本は基本的に戦略を練るタイプの本です。「こういうときはすぐこうしよう!!」というよりは「多分、いずれこうなるだろうから、その時のためにこうしよう!!」とする戦略が多く見受けられます。

例えば「問題児は直接注意するのではなく、先手を売って封じ込めろ」というのは、職場で「こういう人とは仕事したくない」「こういう人がいたら頑張れない」と自分でわかりきっているときに、「こういう人ってださいよねー」と周囲に吹聴することにより、空気感を事前に作り出すことで封じ込める……といった具合です。

このように戦略という言葉を使っているのは伊達ではなく、直接対処するのではなく、事前に準備しながら問題に対処していく方法が多く紹介されます。

えーそんなの面倒くさい」「即効性ないじゃん」と思われるかもしれませんが、言い換えれば時間と労力を惜しまなければ誰でもでき、しかも「ずるい」と言わしめるほどの効果を上げられるので試してみる価値は十分にあるでしょう。

イカサマ的なズルさ

では、タイトルに反して真っ当な本なのかというと、なかなかどうしてそうも言いきれません。聞けば聞くほど「ずるいなぁ……」と思います。というのも、よそから見ると何も考えていなかったり、自由だったり、それでいてどこか献身的だったり熱心だったりと掴みどころのないように見えて、自分の利益はきっちり確保するような深い深い作戦があるからです。

「敵を知り、己を知れば100戦、危うからず」という言葉がありますが、「会社とはどういうものか?」「人とはどういうものか?」「問題とはなにか?」「不運とはなにか?」をべて理解した上で、さらに相手の手札を読んでいるかのような先手を打ち続けるための方法を紹介しています。

言ってみれば、相手の手札をひっくり返している状態でババ抜きすることを目指しているようなものです。もちろん実際にはそのようなことは不可能ですが、あながち狙う方針としては間違っていないでしょう。

「会社では付き合いは悪いやつで良い。それが逆に”貴重”となる」「他人の成否をこっそり予想することで、仮説を立てる訓練をする」といったように、一見破天荒でありながら、こちらの手札は見せず、相手の手札を知り尽くしたかのような対策をとりつづけるようなノウハウ術……

まさに”ずるい”といえますね。

自分を大切に

結局、なんのために”ずるい”戦略をとるかと言われれば答えは一つ。

自分のためです

「それって不誠実じゃないか?」と思われるかもしれません。しかし、私も多くの本を読んできましたが、結局の所、自分を大切にできたほうが他人も大切にでき、そしてほんとうの意味で他人のためになる行動ができるものです。

人ができること、ましてや凡人ができることは限られています。すべての行動を他人のために捧げ、自分を、そして結局は誰かを犠牲にするぐらいなら、まずは全て自分のために動いても良いと思います。そしてもしそれが、不誠実だというのならば、ずるく動いてできた余裕分を他人に回せば良いのです。

実際、この本の多くは、「自分のしたいこと」「自分を守ること」をするためのずるさを中心に書かれており、中には「メンタル第一、仕事は第二」と明確に書かれている章もあります。

会社、あるいは組織というのはときに味方になり、ときに敵となり、そしてどちらにせよ、決して依存してはいけない存在です。もちろんブラック企業などは論外ですが、そもそもどんな組織でもあなたの危機に陥る状況というのは起こりえます。そのときにこそ、組織と明確に敵対するのではなく、かといって逃げ続けて非難されるのでもなく、自分の立ち位置を守りつつ、そして周囲ももちろん犠牲にすることはないズルさが役立つのです。

ほどほどの距離感を維持するのに、「ずるさ」というのはこれ以上ないほど便利な道具なのかもしれませんね。

注意点

著者の方なりに、だいぶ抽象的、もっといえば身近に活用しやすいように書いていると思われますが、やはりテレビのプロデューサーという職業の方だけあってやや特殊な事例もあり、自分のことに置き換えるのはなかなか難しい部分もありました。

また、営業職や企画を出すような職業でしたら参考になる部分が多々ありますが、自営業や事務員だと少し活かすのが難しい部分もあります(まったくないと言っているわけではないのであしからず

最も、とりあえず読んで現代の悩みで困っている人へアドバイスをするという部分に関してはかなり良い本とも言えるので、自分に関係がなくとも読んで損はないでしょう。

最後に

少なからず当たり前のことを語っているようですが、なかなか深い本でした。

最小の力で最大限の動きを出すための本という側面もありましたが、どちらかといえば、最大限に力を出して、最大限を超え続ける影響を周囲に生み出す……そんなずるさを学んだ本でした。

日本人は誠実と言われていますが、呪いに近い部分もあります。もしあなたが自分も他人も傷つけるような誠実さにとらわれているというのならば、この本のように「自分も他人も幸福にするずるさ」を参考に、抜け出すすべを見つけても良いでしょう。少なくとも私はそちらの手段を取りたいですね。

私もひとまず、「他人の責任をあえてとる」「感情を反転させて面白いことを作る」といったズルさから本業もブログも頑張りたいと思います。(これがなぜ効果的か本を読んでくださいね)


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