結婚は理想は追い求めるもの?妥協するもの?なんか、それも違う……。幸せ嫌い

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  • 女性が主人公の小説が読みたい方
  • 周りの人に年だの結婚だの言われ続けている方
  • 結婚に関してシビアな意見が欲しい方

結婚

生きていれば、自分が主役になろうが、脇役だろうが、離れられない言葉です。私も30歳になり、今日になるまで、「結婚したらどうする?」とか「まだ結婚してないの?」といった余計な言葉を色々かけ続けられてきました。

昔だったら男はまだ結婚しない言い訳が色々できましたが、今後男女平等、雇用機会均等などの考えが進んでいけばそうも言ってられなくなるかもしれません。

このあたりはなかなか難しい問題です。

しかし、結婚という言葉はポジティブもネガティブもごちゃまぜになっていると言っていいでしょう。

「結婚が男女にとって最大の幸福」という強いポジティブの主張もあれば、「結婚は人生の墓場」なんていう恐ろしくネガティブな言葉もあり、正直両者が並び立つような言葉は他には「人生」ぐらいしかないのではと思ってしまいます。

今回はとあるちょっと結婚に浮かれ気味の女性が、とあるところに就職した結果、結婚に対する様々な現実と向き合っていく物語です。

幸せって何かを考えられる物語でもあります。

あらすじ

とある企業に務める杉浦麻美は、結婚したいという強い願望を抱えたOLです。

かなり男性に人気があり、様々な人間からアプローチをかけてもらっており、将来を約束した男性もいましたが、とある結婚詐欺の男性に騙されてしまいました。

そして仕事と恋愛を両方失ったものの、結婚を諦めきれず、婚活を続ける日々を贈ります。

ある日、親戚のお葬式で出会った漆原克子という女性に(労働基準的に訴えたら勝てそうなほど)安い給料で、しかし、結婚できるようにしてあげるから良かったら働かない?と誘われ、彼女の結婚相談所で働くことになりました。

そしてとある一組の男女を結びつけることになるのですが……。

ロシアンルーレット型サブタイトルと悪い意味で個性豊かな登場人物

幸せ嫌いという本のタイトルもそうですが、サブタイトルもかなり強烈です。ちょっとだけ具体例をあげると、「何様のつもり?」とか、「結婚したけりゃ、頭をお下げ」など、章のタイトルで怒られているような気分になってきます。

自覚がある限り、私は被虐趣味はないので、大きく出てくる言葉で快楽覚えたりはしませんが、なぜこのタイトルが出てくるのかを想像する楽しみがありました。

さらに言えば、登場人物は全体的に本当に悪い意味で個性の強い人物が多く出てきます。というより残念ながら世間一般で言う好印象の人は出てきません。押し付けがましい人、見栄っ張りな人、他人を気にしなさすぎる人、何よりあらすじで紹介した麻美さんと克子さんの二人が中心ですが、かなり色々と尖っています。

なので、サブタイトルが一体誰が言われるのか、わかりません。そもそもひとりじゃないかもしれません。そして何より、読んでいる読者にぶつかる可能性もあるのです。最初に聞いただけではわからなくても読んでいて気がついたらぶつかっていたということもあります。(なお、私の被弾率は75%ぐらいです)

容赦ない現実

女性が主人公なので現実を突きつけられるのは女性だけ……と思っているそこのあなた!

もったいないのでもう1回出てきてもらいました。

この本は未婚の男性、もしくは結婚生活がうまくいってない男性にも容赦ありません。どうして結婚できないのか。結婚で本当の理由は何なのか。何を言い訳しているのか。どういう甘ったれた言い訳をしているのかなどなど容赦なく突きつけてきます。

もちろん、女性も一緒にです。つまり男女平等でオラオラと攻め立ててきます。結婚したいって言っている麻美さんも攻め立ててきます。「いやあなたコチラ側じゃないの?」という考えをよそに突っ込んできます。(当然何回か突っ込み返されますが)

とはいえ、自分を省みるため、というとそれはそれで違うと思います。ただ不快に思っただけというのならばそれはそれで構いません。この本そのものが誰かを攻めるためというよりは結婚の幻想に堕ちる人を可笑しく描いている物語です。

総評

麻美さんのハイテンションなナレーションとどこまでも現実を突きつける克子さん、そしてなぜか気づいたら二人から怒られている感覚を覚える不思議な本でした。

私が男だからわからないという部分も大いにありましたし、わかったつもりになるのはそれはそれで失礼な気がしますが、逆に言えば、わからないことが色々わかった気がします。

そして結婚というイメージをいい意味も悪い意味も壊す力のある本です。

正直な話、私は孤独に慣れきっており、孤独のまま死ぬのもいいかなというぐらいこじらせていますが、もし結婚をするということになったら、世間一般の結婚のイメージではなく、現実の結婚をもう少し見つめたいと思いました。

私が結婚したいと思うときには状況がまた変わっているかもしれません。劣等感まみれの私が結婚したいと思うかどうかは別ですが、だからこそ、恋愛及び、結婚初心者としては参考になる部分は決して少なくないと言えました。

要点へのヒント

1:ロシアンルーレットと表するサブタイトルが登場人物の中の誰に当たるのか、予想してみてください。(時間差で当たる場合もあります)そしてそれとは別にあなたに当たるのかどうかも予想すると面白いです。(時間差で当たる場合も(略))

2:本書のタイトルそのものが結婚に対する答えの一つです。どうしても時間がないという人はなぜなのかだけでも探してみると要点が読めます。(ただし、それまでの話を読まないと面白くはありません)

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